先日、大相撲舞鶴場所にて土俵上にて舞鶴市長が倒れ、女性が土俵上にあがり心臓マッサージをしている中「女性の方は土俵から降りて下さい」というアナウンスがあり、物議を醸している。
鶴市長からの挨拶の途中、市長がいきなりバタッと倒れ、急いで駆け寄った救命女性が心臓マッサージ?を施し、他の女性が土俵に上がった辺りで、「女性の方は土俵から降りて下さい!」と数回アナウンス。
かなり一方的に相撲協会が批判されていますね。
女性の心臓マッサージは100%正しい行動であり称賛されるべき行いです。
で、相撲協会のアナウンスは・・・しょうがない部分もあるんじゃないのかなとも思う。
※ここで書くのは「アナウンスが正しいかどうか?」について書いたもので、「人助けが正しいか」ではないのでご理解を。
大前提として
大相撲のルールとして「女人禁制」というのがあってこれがややこしいことになっている原因。
「ルール」ならそれはそれでしょうがないと思う。
それなら、「心臓マッサージを出来る男性」や「男性医師」を近くに配備する必要があるよね。
土俵上で何があるか分からないし、何かあったらそりゃ助けに入るのが常識。
助ける人が男とか女とか関係ない。
女人禁制で、医療に配慮をするんだったら、男性医師を配備すべきだった。
即座に対応できない状況を作り出しているのは相撲協会だし。
こういう落ち度があり、叩かれる要因を増やしてしまっているの残念。
大相撲
で、「女性の方は土俵から降りて下さい」というアナウンスは間違いかと言われると、難しいなぁと思ってしまうんです。
個人的に
という2つの理由があるから。
相撲という神事
相撲は神事です。
元々は日本固有の宗教である神道に基づいた神事であり、日本国内各地で「祭り」として奉納相撲が行われている。そのため、大相撲も他のプロスポーツと比べて礼儀作法などが重視されており、生活様式や風貌なども旧来の風俗が比較的維持されるなど、文化的な側面もある。
相撲は「神事相撲」「武家相撲」「土地相撲」などあるけど、根底には神事の意味がある。
天下泰平・子孫繁栄・五穀豊穣・大漁等を願い、相撲を行なうことが多い。
地方の神社などでの相撲ではこの側面が強いが、相撲でも同じである。
神への祭事。
そのため土俵には神への供物として勝栗や昆布・米・スルメ・塩・榧の実が土俵祭の際に埋められる。
また土俵は、力士が入場の際に柏手を打つなど神がいる場所とされてきた。
さらには各場所の初日前日に日本相撲協会の幹部、審判委員の親方などを集めて土俵祭、
横綱が行う一人土俵入りは、四股で邪悪なものを踏み鎮めるのは地鎮祭と同じ意味がある。
長々と書いたけど、何が言いたいかと言うと「全てが神に対しての行い」であるわけです。
とにかく「神聖な場所」である。
神というとちょっとややこしいものがあって、宗教のようなルールが適応されると思っている。
神・神道という宗教でそういうルールがあるのならどうしようもないとは思う。
その宗教では、神に対しての敬いや祈りが一番優先されるべきことであり、そのためのルールがある。
女人禁制という決めごと
女人禁制もその一つ。
現代において時代錯誤の決めごとであり、女性差別とも取れる決めごと。
男尊女卑の名残ともいわれている。
理由としては「五穀豊穣の女神が女性がいると怒るから」というのもあるらしいが詳細は不明。
不明ではあるけど、とにかくルールとして女人禁制があるわけです。
ちなみにこれはどうやら1600年代からあるっぽい。
アナウンスは間違いか?
で、肝心のアナウンスです。
人の命を救う行動に対してのアナウンス。
でも相撲の決めごととしてはあり得ないことが起こっているわけでもあります。
17世紀から続く相撲という神事を汚す行為。と、ある意味では捉えられる行動かもしれません。
それは「土俵上は女人禁制」という決めごとがあるから。
さらに、神を怒らせる(と言われている)行動が目の前で起こっているから。
「そんなことより人間の命のが大事だろ!」
という意見もあるとは思う。
絶対そう思うよね。僕も思う。
しかし、その宗教において絶対的な神がいて、なによりも神を最優先させる場所だとしたら?
神事において神を怒らせる事は正しいことか?
ここでは人間的にどう、人間界の法律がどうとかは関係がない。
神が絶対的な存在であり、神のためになにかをする場所。
一般的な常識が通じる場所ではなく、あくまで相撲という1つの国がある感じ。
国が違えばルールも違うし、宗教が違えばルールも違うよね。(イスラムでは女性はベールをまとわなければいけないとか)
そういう国・場所においてのルール違反はNGでもあるとは思う。
もし、「人の命」よりも「神への敬意」が大事な場所だとしたら?
国や場所ごとに優先順位は違ったら行動も変わるんじゃない?ていうこと。
日本で行われる相撲であるけど、相撲という国・宗教内と考えるとアナウンスは100%間違っているとは言えないのかもしれない。
人道的には間違っていても。
私服姿の女性が次々と土俵上に登る
先程の動画を見てみると私服姿の女性が次々と土俵上に登る。
心臓マッサージをしたのが救急救命の心得のある看護師らしいのだが、外から見ると職業やどういう人かもわからないよなぁとも思ったりする。
さらに他にも私服姿の女性が登る。
もし、「一般人の女性が神聖な土俵に乗っている」と思ってしまったのかも。
なんて見方もあるのかなぁと。
相撲協会の落ち度は歴然だよね
とまぁ、一方的な相撲協会へのバッシングはどうなんだろ?と思ったから書いてみました。
と言っても、相撲協会は正しい!という気はさらさらないですよ。
相撲協会の落ち度は最初に書いた通りでグダグダやんとしか思えないし叩かれるのも当然だとも思う。
ただ、神事であり、神のための決めごとがあるというのも考える必要がある気がする。
時代遅れとも言えるけど、そういうルールだから。
それらのルールがある国では考え方も違うかもしれないよね。
時として人の命よりも神の事が大切かもしれないよね。
スポーツという括りだったら今回のはあり得ないけど、神事となると中の人間達は「人」と「神」のどちらを優先させるのか迷う部分もあるのかもしれない。
どれが正義っていう話ではないですよ。
宗教戦争だってそれぞれ自分達の神が正しいと思って、お互いの正義があるからこそ起こるし止まらないから。
どれが正しいとかいうより、違う場所の考えや背景もあるんじゃないかなぁと思った次第です。
人人だったら法律や常識が通じやすいけど、神が出てくると色々と難しくなるよなぁと思ってしまいましたわ。
おわりに
最近の相撲は見てないけど、相撲じたいは好きなので、相撲協会は今後同じような事が起こらない対策を立てて欲しいですね~。
女人禁制は変わらないだろうし別にいいけど、それならそれで何かあった時に男性だけで対処できるシステムを構築して欲しいです。
それにしても即効で土俵上に上がり心臓マッサージをした女性は本当に素晴らしい。
一人の命を救うのは天晴れですわ^^
※ここで書いたのは「アナウンスが正しいかどうか?」について書いたもので、「人助けが正しいか」ではないのでご理解を。